グレのはいはい日記

時間がありすぎて始めました。忙しくなってフェードアウトするのが目標です。

贈る残忍なことば

グレじいちゃんが
癌で亡くなって。

お葬式の日。

霊柩車に載せる前、
みんなが
棺に入った
おじいちゃんに

さよならと
ありがとうの言葉を
かけていた。

最後に
声をかけるのは
おばあちゃん。

グレばあちゃんは
このとき
少し認知症
始まってた。

おばあちゃんは、
病気ですっかり小さくなった
おじいちゃんに
覆いかぶさって、

叫ぶように

わたしはこの人と
結婚したくなかった

と言った。

辺りは
凍りついて、
誰も何も言えなかった。

少し間をおいて
おばあちゃんは
なだめられながら、
棺から離されてた。

グレは
ショックよりも、

おばあちゃんが
今までどんな思いで
この人と一緒にいたのか
思いを巡らさずには
いられなかった。

そして
悲しいけれど、

夫婦として
一生を添い遂げる

その事実だけでは
何も分からないんだ
と思った。

夫婦
親子
家族

特別なつながりは
それだけで
一生をつなぐ
約束じゃない。

もう何年も前なのに、
おばあちゃんの台詞は
頭のすぐそこに
付いたまま。

警鐘を鳴らし続けてる。