彼女には歳の近いお姉さんがいて、お姉さんも数年間は日本で総合職で働いておられたそうです。
お姉さんがいた会社は日本くさい習慣がまだまだ普通にある職場だったようで、そのひとつが事務職(一般職)女性の男性社員へのお茶だし。
事務職女性たちは当番制で男性社員へお茶を出すのが毎日の仕事。
そんな雰囲気の中、お姉さんが総合職だとは知らないで、お姉さんがお茶だしをしていないことに対して、女性社員の方達から不満が出たことがあったらしい。
「どうして◯◯さんは、お茶だししないんですか?わたし達の仕事でしょう?」
と女性社員のひとりが他の事務職社員がいる前で、お姉さんにあなたもやりなさいよ!と言わんばかりの口調でこう言ったら、
お姉さんは、真剣に、怒ってこう答えました。
「あなた達は、自分をなめるな!」
日本語としては少しおかしいですが、このひと言はとても含蓄に富んでいます。
お姉さんは自分が総合職だから、お茶だしなんてしない。と言ったのではありません。
お姉さんは、周りの事務の女性達が、わたしは女だから男性にお茶だしするのが仕事。と思い込んでいることに対して怒りを覚えているのです。
あなた達(事務職女性)は、自分自身で自分のことをなめている。もっと尊厳や理想を持って働けるはずなのに、まず、自分達が誇りを持たないから、男性社員、ひいてはその企業にもなめられてしまうのだと。
お姉さんの一喝に、その場は静寂と化したそうです。強いね!