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グレのはいはい日記

時間がありすぎて始めました。忙しくなってフェードアウトするのが目標です。

生き直した人

まだ書いてなかったと思うので、書いておきます。2度目の入院のときに、同じフロアにいた患者さんのこと。わたしより10歳くらい年上のボブカットの女性。

彼女はわたしとは違ってハイになる時間が多く、よく病室の通路で歌を歌っていました。その頃彼女が口ずさんでいたのはSMAPファンキーモンキーベイビーズ、このときまだファンモンは解散していなかった。するよ。という予告は出回っていたかもしれないし、その後少ししてからかもしれない。

いっつもニコニコしていて、明るくて、落ち込みやすいわたしにはうらやましいと思えるくらい。何を話したかははっきりと思い出せないけど、好きな歌のことやアルバイトで失敗した話なんかしてくれたような気がします。そういえば外出許可を取って、近くの美容室に行ったなんて話もあったな。そのときそのお店をすごく勧めてくれた。

ある日の夕方、白い長袖を着た彼女が運動不足だからって廊下を歩いていた。わたしも多分、体がなまっていたから自分のペースで歩いていて、端まで行ったら折り返し、また端まで行って折り返しを繰り返していました。
同じ廊下を往復しているので何度も彼女とすれ違い、その度に軽く挨拶。

2人とも廊下ウォーキングを終えてなんとなくわきに集まって話し始めたとき、彼女がふと腕まくりをしたら、左かな?多分左の手首にものすごい深い傷跡が現れてびっくりしました。
何事も無かったように振る舞おうとしたけど、わたしの表情を読んで「ああ、これ。わたしにも色々あったのよ」と笑いながら応える彼女は、いつもと同じ明るいばっかり。

いつも笑ってる顔しか見せない彼女にどれ程の苦労があって、どれだけ思い詰めたのか、想像しても想像し足りないけれど、それでも生きることを選んで生きている彼女の深さに気づいて、畏れ多いような気持ちになりました。

あれからどうしているのかな。多分、朗らかに鼻歌でも口ずさみながら楽しく暮らしていてるかな。もう無理だと思っても生き直すことを選んだ彼女だから、素敵な時間を送っていると思います。
あの時はお世話になりました、ありがとう^ ^