でもわたしは、友達がTED Talkの中でシェリル・サンドバーグのプレゼンが一番好き!という話を振ってくれたその日まで、彼女の存在を知りませんでしたけどね。。
本の主旨は、世界中の女性がもっと責任ある立場(リーダー)につくことによって、すべての女性の置かれている状況が改善されていく。さあ一歩踏み出しましょう!といったことが中心で、わたしにはなかなか縁のない話でしたが、現代人の傾向について面白い示唆がたくさんありました。
まず、女性は男性よりも自分の能力や実力について自信がもてずに悩む(インポスター・シンドローム)傾向があるということ。無意識のうちに自身を過小評価しすぎることで可能性に限界を設けている。
確かに、わたしも周りの知っている男性に比べれば、無難な道を選ぶことを良しとされてきたし、大人になってからもなるべく無難な選択を選んできたように思います。
この傾向の怖いところは、本人が無自覚的にその選択をしていることです。自分も周りの女性も何となく自分を低く見積もることが常態化している。そう指摘されるとぞっとしました。
そして、社会的に成功している男性は同性からも女性からも好かれるけれど、成功している女性は男性からも女性からも好かれない傾向があること。
実感としては分かるなぁ。と思うところですが、何だかやるせない気持ちになりますね^^;
育児面については、父親が育児に積極的であることが子どもにプラスの影響を与える調査が世界各国で報告されているということ。
これは母親の育児参加の量に関わらず、父親が育児することの好影響が報告されている点が興味深いです。
最後に、男性がジェンダーバイアスをもって女性を判断したり、評価したりすることについて問題視されることは聞いたりしますが、女性が同性に対してジェンダーバイアスの色眼鏡をもっている危険性について指摘してあるのが新鮮でした。これも多くは女性自身が無自覚のままに行っていると書いてあります。
女性は性差別の犠牲者であると同時に、加害者にもなり得る。この記述は衝撃的で、もっと広く知られるべきだと思いました。
一般的に上記の様な傾向がみられることを知っておくことは、例え社会的なリーダーでなくても大切なことだし非常に有用だと思うので、性別に関わらず本書を手に取る人がもっと増えて欲しいです。
LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲
- 作者: シェリル・サンドバーグ,川本裕子,村井章子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2013/06/26
- メディア: ハードカバー
- この商品を含むブログ (40件) を見る